昨年の夏、ちょうど吹奏楽レコーディングの終わりに
指揮の大和田雅洋さんよりちょっとお願いが、と
サクソフォンの協奏曲を依頼したいというお話がありました。
どんな内容で行きましょう?とお聞きすると、
カッコよくて、泣けるメロ!とにかく良いメロディを!
さらに、アルトサックスとソプラノサックスの持ち替えがあり、
カデンツァ(伴奏お休みでサックスだけのソロ)もあると嬉しい!
サックスが出せる超高域もガンガン使ってください!
曲尺は20分以上で!
と。
ということで、ずいぶんとどうしようか悩みました。
特定のイメージがない場合、いつも曲の出だしは悩んでしまいます。
あーでもない、こーでもない、と悩みはしましたが、
私のフィールドは劇伴ですので、ひとつの物語を想定して、
物語仕立てで音楽を付けていくイメージで作曲していくことにしました。
![](https://forte-piano.net/wp-content/uploads/2024/06/el_dorado2-1024x420.webp)
El Dorado、スペイン語で「黄金郷」を意味する言葉ですが、
そんなおとぎ話のように伝わる伝説の黄金郷を追い求めた、
無謀で、そして勇気あるひとりの冒険者の物語です。
信じた夢への挑戦とはいえ、多くのことがうまくいかず、自暴自棄になることもあります。
けれどそんな彼を支えてくれる女性の存在や、諦めきれない願い。
紆余曲折の末、ようやく辿り着いた黄金郷での戦いでは、遺跡の罠や、
同じように黄金郷を狙う人物たちとの攻防をくり返し、命の危険にもさらされます。
そんなピンチを二人の力で乗り越え、最後に彼が手にしていたのは、夢に見た黄金でも成功でもなく、
すぐそばにあるかけがえのない存在のぬくもりでした。
未知なるものを目指した冒険者の挑戦と、新しい音楽を切り拓きたいという私自身の挑戦を重ね、
タイトルを『El Dorado』にしました。
そんな経緯で誕生した
サクソフォン協奏曲「El Dorado ~旅人は唄う 日々の儚さを喜びを~」
2024年6月28日に神奈川県立音楽堂にて初公演となります。
![](https://forte-piano.net/wp-content/uploads/2024/06/el_dorado3-724x1024.webp)
![](https://forte-piano.net/wp-content/uploads/2024/06/el_dorado4-724x1024.webp)
どうぞよろしくお願いいたします。
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